半導体不足が賃貸業界に影響!給湯器が無い!!

世間で騒がれている半導体不足。

それがとうとう賃貸業界へも影響が出てきてしまいました。
それは「給湯器が無い!」という事態です。

賃貸住宅において給湯器は無くてはならないもの。
それなのにそれが手に入らないとなったら、一体どうしたらいいのか・・・。

実際、壊れた給湯器が交換できず、銭湯通いを余儀なくされる事態が発生しています。

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突然、水しか出なくなり・・・

「風呂場でシャワーを浴びていたら、突然水しか出なくなり・・・」
自宅の給湯器が故障。管理会社に問い合わせるも
「コロナの影響による半導体不足で、国内に給湯器の在庫が一つも存在していない」
と回答されてしまった。
という内容のツイート。
それに3万件近くのリツイート。

これは、2021年10月のインターネト上での話題です。

そもそも「半導体」って?

そもそも「半導体」とは何でしょう。

元経済産業省官僚の宇佐美典也氏は
「半導体と聞くと黒色のチップを連想すると思うが、もともとは物質の電気的特性のことで、電気を通す金属などを”導体”、逆に通さないゴムや油を”絶縁体”と呼んでいる。
その間にあるのが半導体で、0と1で表すデジタルと相性が良いため、電子機器に使われるようになった。
そのため”21世紀の産業のコメ”とも呼ばれている。」
と説明しています。

なるほど「産業のコメ」。
そう言われる言葉の意味を、今ほど実感できたことはありません。

実際に影響が及んできました

多くのお部屋をお預かりしている弊社においても影響が及んできました。

昨年は、真夏を迎える前にエアコンの在庫不足に陥る可能性が高いという旨の声が工事業者から届いておりました。
猛暑を迎えた頃には心配が的中。
工事業者では発生したエアコンの故障に対応できない貸室があったそうです。

幸い、弊社管理物件においては、猛暑を迎える前に不具合の見られるエアコンの交換を提案など対応を済ませておいたおかげで、入居者にご不便をおかけする自体は免れました。

暑さが落ち着き、エアコンの供給不足も落ち着いた頃、季節は秋から冬に。

次は給湯器の在庫不足の声が工事業者から上がるようになりました。
今度は可能性ではなく、既に不足が発生しているという話です。

在庫不足の原因は

原因は新型コロナウイルスによるアジア地域でのロックダウン。

これにより生産が停止。
半導体不足による部品の供給不足もからみ、給湯器が入荷しない事態となりました。

すでに供給が不足している中で、入居中での給湯器交換を各貸室のオーナーへご提案しては、依頼の数によっては在庫不足に悩む工事業者を余計に混乱させる可能性があります。

とはいえ、今後発生する故障による入居者へのご不便を少しでも回避していきたいところ。

そこで退去した時点で経年が進んだ給湯器の交換の提案を行うことに。

またはリモコンの不具合などの修理依頼を受けた際に、本体の製造年を確認し、年数が経過している場合は交換の提案をおすすめ致しました。

一般的な給湯器であっても

管理をお受けしている、あるワンルームマンションの1室の話です。

昨年11月に前借主が退去し、リフォームと同時に給湯器の発注をかけました。
この時、給湯器は故障していません。
経年を考慮し、新規交換を計画したのです。

リフォーム終了後、12月には新しい借主が入居しましたが、年が明けても給湯器入荷の連絡はありません。
3月となり、ようやく入荷の連絡が入りました。

このお部屋の給湯器はごく一般的なタイプですが、入荷までに4ヶ月かかりました。

給湯器業者の話によると、一般的なそのタイプは業者が発注していた数のうち一部がようやく入荷しただけとのこと。

排煙が特殊な仕様となっているもの、スリムタイプ、ファミリー用で追い焚き機能付き、室内型、電気温水器などは入荷が未定の状況です。

さらに給湯器業者の話によると、給湯器の故障が発生した際、追い焚きなどの機能は使えなくてもお湯だけは使用できるように、仮設の給湯器を設置するなどの対応を行ってきました。
しかし、発注したものが一向に入荷しないため、仮設で設置している給湯器が回収できず、とうとう仮設用の給湯器すら無くなってしまいました。
現在工事をご依頼頂いている中には、お湯が使えないまま銭湯通いを数ヶ月続けられているお部屋の方もいます、とのこと。

今もなお終わりが見えず・・・

リモートワークに必要なコンピューターやWi-Fi機器などに用いられる高性能な半導体の需要の高まり。
巣ごもり需要によって高価な半導体を使うゲーム機も売れるようになった事も牽引。
メーカーがこぞって高級な製品を作るようになった結果、家電製品などに使われる分が不足。
というような話を聞きます。

半導体不足が騒がれ始めた頃は、少し他人事に受け取っていたのが正直なところ。

それが、コロナ渦を含め様々な事象が重なったことにより、多くの製品の供給が滞り、国民の生活にその悪影響が幅広く及んできたことに驚きと不安が入り混じります。

そして、今もなお供給不足の終わりは見えず・・・。

2022年3月

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